長いこと、メディアミックスという言葉に対してなんだか違和感があった。
だからといって、クロスメディアとかクロスコミュニケーションとかいう言葉をすんなり受け入れているかといえばそうでもないのだけれど。
今となってはメディアミックスなんて死語な訳だけど、出てきた当時は画期的な概念だったんだろう。(たぶん)
自分が入社した頃は、既にWeb2.0なんていうバズワードも落ち着きを見せ、エンゲージの概念なんかが出てきた頃だったように思う。
だから、メディアミックスとか言っていた時代の広告業界の肌感も知らないわけで、ピンとこないのも当然か、と思っていたのだけれど、どうやらそうではないらしい。
ADKインタラクティブ総研の、「次世代広告コミュニケーション」を読んでいて、ふと気づいたのだけれど、自分はもともとWebありきで、マス4媒体のみの感覚があまりないみたいなのだ。
確かに、小学生の間は4マスのみしか触れていなかった。
けれど、中学に入り、インターネットがやってきて、夜11時からは定額になり、テキストサイトが大流行し、回線速度はどんどん速くなり、コンテンツがリッチになり、ブログが流行って、SNSが流行った。(超おおざっぱだけど。)
そんな中で、Web上で自分から発信したり、知らない人とコミュニケーションをすることについて、特に違和感がなくなっているのだ。
なので、生活者同士のコミュニケーションや、情報の非対称性の崩壊抜きの感覚が、言ってることはわかりつつも、全然ピンとこないようである。
中学生以降でWebに触れている僕でさえこんな感じな訳だから、今のデジタルネイティブと言われる人たちは、ますますを持ってコミュニケーションについての新しい感覚を持っている人がたくさんいるんだろう。
物心ついた頃からWebがあり、昔とは比べ物にならないほどWeb上での他人とのコミュニケーションも豊かになっているわけで。
その一方で、未だにWeb上でのコミュニケーションに抵抗がある人も非常にたくさんいる。
ブログやってますとでも言おうものなら特殊な人扱い。
最初にWebで友達になって、その後遊びにいったりしました。なんて言えば、オタクだなんだと言う。
Webをテレビやラジオと並列でマス的メディアの一つとして捉えている。
こんな人が(びっくりすることに)まだまだたくさんいるのだ。
昨今のわずか5年ほどにおける急速なWeb/テクノロジーの発展と、それに対する若年層の対応力を考えれば、筋金入りのデジタルネイティブが業界に傾れ込んできて、勢力図を塗り替えるのも非常に急速に進んでいくと思われる。
その時に、脱落する人と、生き残る人がきれいに二極化するんだろうな。
そんな時代だからこそ、逆に広告の歴史をしっかりと学んでおかねばと思ったのだ。
メディアミックスという言葉が、自分の生きてきた感覚からはピンとこないとか言ってないで、その言葉が出てきた時代の背景や、マーケティングを知っておくことは大切なことだと思ったのだ。
ほら、「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」っていうし。
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