ということで、2月7日(金)を持ちまして、2007年に新卒から約7年間勤めた大広を退職しました。
最終的には大きな裁量を与えてもらい、とても自由に仕事をさせてもらいました。
そんな恵まれた環境でしたが、次第に自分の中でテクノロジーを活かしたアイデアやクリエイティブを仕事にしていきたいという想いが膨らみ、より特化した環境に身を置きたいと思うようになったことから、今回の退職となりました。
事前にご連絡できず、FBなどでのご報告となってしまった方々もたくさんいましてすみません。
以下、自分のための記録的な感じなので超長いですが、これまでのこととか思い出話。
思い返せば大学時代、機械工学科というところで医療用ロボットを作る基礎研究をしていましたが、大変な落ちこぼれでした。
年間2単位しかとれなくて留年したり。
やがて就職活動が始まり、学科の友人たちが名だたる大企業に推薦で就職していく中、このまま車や、航空、ロボなどの分野に進んでも自分はやっていけないだろうと思い、本屋に「業界研究本」を立ち読みしに行ったのが広告業界に進む始まりでした。
とはいっても、当時の自分は広告業界というものがあることをその時初めて知ったくらいで、実際に何をしている業界なのかは全くわからないまま、
「困っていたり何かを伝えたい変えたいと思っている人たちがいる」
「その人達のためにルール無用で課題を解決する」
というところがなんだか面白そうという程度で志望しました。
会社説明会やOB訪問なんかも一切行かなかったので、面接の時も広告の知識が全然なく、「好きな広告は?」と聞かれてもうまく答えられず、自分の研究の話や好きな本の話をしていた記憶があります。
そんなナメた就活生でしたが、幸いにも大広に拾っていただけました。
それだけゼロから始まった僕ですが、追いかけても追いかけても距離が縮まらない優秀な先輩方に色々なことを叩きこまれ、背中を見て、拙いながらも仕事をしていると言えるようなところまで成長できました。
その過程で、もともとインターネットが好きだったこともあり、次第にインタラクティブなクリエイティブの分野に興味が移っていきました。メイカーズ・ムーブメントやフィジカル・コンピューティングといった流行りも手伝い、インタラクティブな分野はブラウザを飛び出し、ますます面白い分野になっていき、どんどんハマっていく日々。
広告業界的にも、AKQAのイナモトさんが「これからの時代は "ART & COPY" ではなく "ART & CODE" だ」的なことを言っているように、テクノロジーを理解して扱えることの重要性が認識されてきて、日本でも先進的なチャレンジをしているところが増えていきました。
そんな折、一番の転機というか、もっとその道に進んでいきたいと思ったきっかけになったのが、昨年の FITC TOKYO でザックやメモやカイルに会ったことでした。
(余談ですが今年の FITC TOKYO は、来週2月15、16日なので、みんな行きましょう!)
テクノロジーとアートがすんごいレベルで融合しているのはもちろんですが、実際に話しているところを見て、彼らのテーマに向かい合う姿勢や楽しむ姿、作品の周辺にある考えに非常に衝撃を受けました。
特にザックの "Do It With Others" というコンセプトや、 "more poetry, less demo" というモットーは、本人の人柄と相まってすごく腑に落ちました。
確かに、代理店の中で、プロデューサーやディレクターとして実現していくという方法もあったのかもしれません。
が、やっぱりアイデアと実装は不可分で、手を動かせないのにアイデアだけで勝負できることはないと思っているし、何より現場がとっても好きです。
これだけやりたいことが明確になっているのだから、自分の想いに中途半端なまま仕事をしていくのもとても失礼な話だとも思いました。
そうして、FITC の後しばらく悩みましたが、新しい環境に身を移すことを決意し、今に至るという感じです。
大学時代はまったく興味を持てず、無理だと思って進路変更をした分野が、これからの仕事に重要なスキルだったとかすごい皮肉な話だな〜っと思います。今考えても最先端なことしてたのに何も身につけなかった……。人生スムーズには行かない。
で、次の行き先ですが、縁あってKatamari Inc / AID-DCC Inc というところで働くことになりました。
30歳オーバー制作実務未経験という何もない自分を拾ってくれた器のデカイ会社です。
大広に入った頃のように、またゼロからのスタート(そして年いってる分、ビハインドはさらに大きい)ですが、
逆に言えば、それだけ伸びるスピードも伸びしろも大きいと信じて頑張ろうと思います。
まずは、しっかりと実務経験を積むこと。そして、今後の大きな(ほんとに大きな)目標としては、オリンピックの演出に携わること、賞狙いで仕事をするのは本質的ではないと肝に銘じつつも、アルスエレクトロニカの舞台に立てるような、意義のあるモノを作ることができたらと思います。
というわけで、ほんとうに多くの方にお世話になりました。ありがとうございました!
何よりも、最高な人たちに出会えたことは自分の人生にとって大きな収穫だったと思います。
遠くに行くわけではないので、今後は仕事で恩返しをしていければと思います!
次の職場はすぐに始まるのですが、会って話したい方もいっぱいいますし、
ぜひぜひ飲み行ったりしましょう!
では!
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